瑞雲山 文昌寺
瑞雲山文昌寺は，眼界近くの桐生市街を見下ろし，却下桐生の清流を聴き，近く渡良瀬川の長流を眺め，遠く上毛三山を仰ぎ見ることのできる無上の好適地に天台宗寺院として創建されたが，いつ創建されたかは，定かではない．
その後，1696年（元禄9年）本寺鳳仙寺の7世応山牛喚大和尚が信施を集めて当寺を再興し，寺観大いに隆昌するが，当寺16世耕田大牛大和尚代1843年（天保14年3月12日）町谷の「荒神大火」によって全山焼失し一堂もあまさなかった．
それまでは，現在地よりやや北方の山腹に建てられていたというが，これを機に現在地に仮堂を造建し同年8月，17世大孝隆和尚が入山し1864年（元治元年）本堂を修復した．その後，20世大光徳雄大和尚が本堂再建を発願するが，大東亜戦争勃発のために中絶となった．また，1971年（昭和46年）4月27日にも原因不明の火災にて本堂，庫裡等すべてを焼失し，22世大円雄鳳大和尚が時の総代，世話人と協議の結果，本堂再建にあたり1973年（昭和48年）近代的な鉄筋コンクリート造りの本堂，続いて庫裡も創建された．その後，古くから祭られていた「子育地蔵」の地蔵堂再建，更に1985年（昭和60年）には鐘楼堂も建立され，現在のような伽藍が整備された．
隣接地には，旧天台宗西善院の境内地跡，及び墓地があり寺は1872年（明治5年）に廃寺となった．
この寺の開基は，菱・小俣領主の細川内繕公であり，現在も内繕公の墓碑がある．現在は墓地等全て文昌寺に合併管理されている．
また，郷土史に記載されているように古くから「子育地蔵尊」が安置され，毎年4月24日，9月24日の2回は大祭を行っていた．最近では「水子地蔵」の寺としても広く名を広め，数年前には遊歩道も整備され散策を兼ねた老若男女の参詣も多くなっている．
近年にしてようやく伽藍も整いつつあるが，檀信徒の間にて会館の必要性に迫られ，近々多目的な「檀信徒会館」の建設をとの声が上がり，1995年（平成7年）その着工の運びとなった．さらに墓地造成もなされ，現在約150戸分の区画整備もなされた．