梅林山 高源寺


 通称「名久木」と呼ばれる川内町5丁目の一角に,ひっそりとした佇まいを見せる高源寺は,明暦元年(1655),今から約336年前に雲祥寺第5世斧兜門出大和尚によって開かれたお寺であると伝えられています.
 現在の本堂は間口六間,奥行き四間の小さな建物ですが,昭和31年,今から約35年ほど前に檀家数名の寄進によって移築されたものです.
 門出和尚は,先に延べましたとおり,雲祥寺の5代目の住職にあたりますが,門出和尚が雲祥寺に住職した頃は,本堂を始めとした諸堂は,火災により焼失していましたので,門出和尚は檀信徒に助力を願い,火災によって焼失した雲祥寺の本堂と本尊釈迦如来,文殊・普賢菩薩像の三尊を再建したのでした.
 また,慶安2年(1649)8月には,3代将軍家光公より高十一石五斗余りの土地と境内山林諸役免除のご朱印を頂戴することが出来ました.
 さらに,承応元年(1652)には「松石山常仙寺」を建立し,明暦元年(1655)には,当寺「梅林山高源寺」を建立され,開山となられたのでした.
 門出和尚は,寛文5年(1665)に遷化されましたが,これらの功績により,中興大和尚の称号を得られております.
 さて,本堂に祭られている仏様は本尊釈迦如来のほか,大日如来,聖観世音菩薩等ですが,特に観世音菩薩像は宮殿に納められ,信仰の深さを物語っているように感じられます.
 また,高源寺の年間行事の一つとして毎年9月に,地域の人々によって観音様のお祭りが営まれておりますが,そのために当寺は「観音様のお寺」として親しまれ,憩いの場となっています.

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