廣澤山 東方寺


今より約400年前,彦部出雲秀昌公が建立し,臥龍伊天大和尚の開山による曹洞宗のお寺です.以来法灯は,約400年に亘り継承され現在に至っております.
   この間,長い歴史の中で栄枯もあったようですが,時の檀信徒の方々と歴代の住職の信心と報恩の浄行によって支えられ,現在の堂宇が整備されてまいりました.
 境内には,法堂(本堂)の他子育交通安全地蔵尊をお祀りする地蔵堂,この他,慈母観世音菩薩像(総丈約4m)をお祀りし,長い歴史の中で戦争によって尊い命を失われた方々のみ魂を供養し,併せて,永代供養の為の納骨堂を観音様の下に設け,広く三界万霊の供養のよりどころとして香華の断える日がありません.
 宝物は,文化財として価値のある物はございませんが,寺にあるもの全てが宝物であり,何よりも継承された仏法こそが当山の宝でございます.
 観光としておいで頂くには適さない寺ですが,安心を求めてお参りください.
 最後に足利の書家故相田みつを先生の言葉を紹介いたします.
 トマトがトマトであるかぎりそれはもんもの
 トマトをメロンに見せようとするからにせものとなる.
 この言葉には,仏教,特に禅の思想を根底とした深いものがあります.私たちは常に,トマトよりはメロンと比較したり価値を付けたりします.トマトはトマトの,メロンはメロンの持ち分を精一杯生ききっています.受け継いだ命を比べっこしないで生きている自然界の生きざまを見習いたいものです.

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